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「AQUA」
2008.01.09 発売

2008.01 Blogより
- 1,Aqua / Drop
- 曲といって良いのかわかりませんが。前作「AIR」を作っていた時から既に「AQUA」の1曲目は水滴を使いたい、アルバム全体を一滴の水から始めようと思っていました。
- なので、アルバム制作の最後に作りたくて、マスタリングの2日前くらいに出来上がったのです。短いトラックですが、何パターンか作った記憶があります。ピアノの音と水の音って響きが似ている。
- 2,une valse pluvieuse
- ピアノ連弾風の小品。純粋な連弾ではなくて「連弾風」なのは、実際の連弾のフォーマットを想定したわけではなくて、あくまで僕の気分を音にしたら、ピアノを2回重ねることになっただけだから。水が戯れている様子をイメージしてかなり即興的に作りました。部屋にあったアフリカの民族楽器「カリンバ」もちょこっと弾いています。メロディの中にカリンバの音階に無い音がいくつかあるので、録ってから波形編集で手を加えています。爪の先がボロボロになりました。曲名を決める時、いろいろ候補を上げていたのですが、日本語でも英語でも全然しっくりこないんですよ。で、この曲はどう考えてもフランス語しか無いだろう!ということで、こうなったと。「雨のワルツ」という意味です。意識しませんでしたが、曲調がフランスっぽいからでしょうか。
- 3,灰色の湖
- トリオ編成でソロライブをするにあたって、トリオならではの曲を演奏したいと思い、それまでスケッチしていたモチーフから1曲に仕上げました。自分にとっては、こういうクラシカルな曲調はすごく書きやすいのに、あまり人気は無いみたいです、この曲(笑)やってることは古典なんですが、写実的な意味での「灰色」というよりもモノクロで、シュールな風景のイメージ。タンギーとか、マグリットの絵の世界のような、そんな感じ。
- 4,flow
- ソロライブの初合わせ(リハ)の日、演奏する曲リストを眺めていたら「どれも似たような曲ばっかりだなぁ・・・つまらん、お前の曲はつまらん」と急に腹が立ってきて、家を出る2時間前に急いで書いた曲。すみません、そのままCDになってしまいました。トリオ編成ですが、それぞれの楽器がバラバラの変拍子で演奏していて、少しずつズレていく・・・と見せかけて、実は合っている、という変態ミニマルな曲です。そんなわけで弦のパートが一筋縄ではいかない、奏者泣かせの思いやりの無い曲ですが、皆さん文句を言わずに(口に出さずに)弾いてくださいます。感謝。後半のチェロとバイオリンのソロが情熱的で大好きです。弦の擦れる音が気持ちいい。短いけどライブで演奏すると緊張感がある、楽しい曲です。
- 5,水の花
- 考えずにふと思いついたメロディなので、もともと自分のどこかに流れていたフレーズなのかもしれません。岸倫子さんのバイオリンの音色が温かく切ないですね。曲ができてから「水の花」という言葉を探すまで時間がかかりました。「花」は、水辺の花のイメージでもあり、水(氷)の結晶のイメージでもあり、さらには心模様としての花の意味でもあります。
- 6,オルゴールがきこえる夜
- この曲は、このアルバム用の書き下ろしではなく、2004年に制作した曲です。よくライブでも演奏していて、CDはないのか?という声を多く頂いていました。もともと海への回帰がコンセプトの曲だったので、このアルバムの最後にぴったりだということで、多少の手直しをして収録となりました。他の収録曲に比べて、シンセ音や打ち込みが前面に出ています。
- シーンが次々に変わっていくような構成なのは、ストーリー性を意識していたからだと思います。海へ帰った水は、また一滴の水滴になって巡る。
「AIR」
2006.11.29 発売

2006.12 Blogより
- 1,Air / Wind
- この曲は、「AIR」という一枚のアルバムを象徴した前奏曲にしたくて、制作に入る前からずっと構想が頭の中にありました。でも実際に書いたのは、収録曲の中で一番最後。マスタリングの2週間前くらいかな?
- 英詩の朗読が入っていますが、これの日本語訳(こちらが原案)はCDのブックレットに載っているものです。朗読を入れるか入れないか、これを一曲目にしても良いものか・・・関係者からもいろいろな意見があったのですが、僕の想い、作品コンセプトとしてどうしてもこの形で残したく思い、頑固に「作曲者」としての意志を通しました。
- ちなみに、今回のAlbumは、表面的なテーマは「風」なのですが、僕自身の中では1つの「原点回帰」のような感覚が無意識にあったと思います。だから、冒頭、静寂を破る最初の1音は、絶対にピアノの音にしたかった。
- 2,青葉の風
- ご感想をいただいた中で、一番この曲が好きだという方が多いです。そんな幸せモノの「青葉の風」ですが・・・。こんなに爽やかだとね、恥ずかしい。
- 1年以上前から曲は出来ていて、前からライブなどでもよく演奏していました。「青葉の風」というタイトルはその頃からですが、本当はCDにするにあたって、別のタイトルに変えようと思っていたのです。でも他にしっくりする言葉も思いつかず、愛着もあったのでそのままになりました。
- 3,Storm / dance of the sylphid
- sylphid(シルフィード)というのは、ヨーロッパの伝説にある風の精霊の名前です。女性の姿をしている精霊で、嵐の強い風の中を美しく舞い踊っている様子を思い描いていました。
- 実は、この曲はほとんど即興で作ったのです。バーッと即興でピアノで弾いたものをあとから編曲しました。冒頭部分はワルツ、テーマに入ると4拍子・・・ですが4拍子ではあっても全体は3連符に支配されていますね。中間部分は聴き方によっては3拍子とも4拍子ともとれます。即興が元なだけに、僕のワルツ好きな部分がそのまま出ていますね。“強い風”といっても、夏の嵐、秋の台風、冬の木枯らしとか・・・また地域によってもイメージが違うと思いますが、この曲で、どんな風を思い浮かべていただけたでしょうか。
- 4,Reflection
- アルバム制作に入る半年くらい前から、空気を通して届く光の反射や細かい光の粒みたいなものに、敏感になっていたんです。そして、冷たい空気の中でそれはもっと鋭く感じられるのです。その肌触りを音にしてみた、という感じでしょうか。
- 録音したピアノのミニマルなフレーズの断片をコラージュ的に絡めていった作品です。自分ではこれはミニマルだとは思っていませんが。後半は11拍子になっていて、細かく数えると、4-4-3 / 5-3-3という変拍子。11拍子に意味があるかと言えば・・・んー、あると言えば少しはあるのですが、ほとんど感覚的なものです。
- 途中の無機質なバイオリンソロ(by Yuzzさん)がお気に入りです。この曲は、かなりコンピュータ上で波形編集をしたのですが、作っていて楽しかった。クラブ的、音響的アプローチで、リミックスとかもできそうです。
- 5,風花
- 「かざばな」と読みます。この曲は、ライブでバイオリンと一緒に演奏するのに曲が足りなくて、さくさくっと書いた曲が元になっています。ちょうどその頃、「和モノ」のゲームの音楽を数十曲、集中して作っていたのでその時の気分も反映されて、和風テイストに仕上がっております。胡弓で演奏しても合いそうですね。
- タイトルの「風花」は晴れた日にひらひら降ってくる雪のことなんですが、これに決まるまでは紆余曲折がありました。しばらくは仮で「ふぶき」と呼んでいたのです。もともと雪のイメージはあったのですが、吹雪っていうほど激しい曲調ではない・・・何かいい言葉は無いかなーと、ジャケット印刷の数日前まで悩んでいて、たまたま辞書をパラパラ見ていたら発見しました。これほどこの曲にぴったりの言葉は無かったと思っています。
- 6,in the Air
- 「Air/Wind」の別バージョンになります。朗読の有無などのわかりやすいものから、僕しかわからないくらいの細かい箇所まで、随所に違いがあるので・・・時間のあるマニアな人は聞き比べしてみてください。
- 「Air / Wind」の紹介で「一番最後に書いた曲」と書きましたが、正確にはこっちの方が後でした。1曲目が映画の予告編だとしたら、このトラックはエンドロールです。僕にとってのAIRが、大体この曲に詰まっているような気もします。ここから先は、皆さんでお好きなように風を感じてください。
「Eternal Mirage」
2003.12.16 発売

2003.12 記
- 1,mirage 1
- 「Eternal Mirage」制作の終盤で制作したもので、結果的にアルバムのコンセプトを象徴した世界観になりました。アルバムのタイトル曲の様な位置付けです。この曲が一番好きだと言ってくださる方がとても多く、僕自身もいろいろと思い入れの深い曲です。子供達の遊んでいる声は、ニューヨークのCentral Parkで録音したものです。悲しいことに、その少し後に9.11の同時多発テロが起きました。そして戦争が始まった。もう2年前のことです。あれから世の中は変わったのでしょうか?あの時遊んでいた子供達は今も元気にしているかな?
- Central Parkの空気、空、光を皆さんにも感じて頂ければと思います。未来への希望と祈り、そしてこの世界の儚さを見つめて。
- 2,preludio "calmo sorgere del sole"
- タイトルが読めないと苦情殺到の曲。先日ラジオに出演させていただいた時、僕も一瞬読めませんでした。これはイタリア語で“穏やかな朝日の前奏曲”という意味です。モチーフは「光」のイメージ。何も考えずにかなりの短期間で制作したので、 自分の中の自然体メロディが形になったのだと思います。
- 3,The outside of silence
- 前2曲とは雰囲気が全く違う曲ですね。2001年の作品なので、僕の中では過去の作品という気持ちですが…。1曲の中にストーリー性をもたせています。こういう曲を作るとき、頭の中には架空の物語が映像として再生されているのです。
- 4,sunshine blue
- まったりとした曲です。4年前に参加した企画展のために制作し、アルバム収録にあたって音を足したり修正したりしましたが、ほぼそのままです。実はこの曲の歴史を辿るとさらに昔にさかのぼり、中学校の卒業式の音楽(!)として作った曲が原曲なのです。その時はオルガンとコーラス編成でした。
- 5,vestige
- 僕自身は意識していなかったのですが、全体を見渡すとアルバムの“裏テーマ曲”のようなポジションになっているかもしれません。テーマは緊張感や憂い、その中の強さのようなもの。終盤、もう一展開させようかと考えましたが、CDの収録時間の関係上今の構成に落ち着きました。今後ロングバージョンとしてどこかで発表するかもしれません。
- 6,Nostalgia 1998
- なぜ1998かというと、98年の作品だからなのですが…。今回のCDの中で一番初期の作品ですね。実に初々しい曲です。作者としては、この初々しさが恥ずかしかったりする。
- 7,prelude in D Major
- 99年作。この曲は楽譜にするとわかるのですが、メインの主題のメロディの音符を後ろから追って逆行させたものが、中間部の木管のメロディになっています。導入部がパッサカリアっぽいですね。
- 8,Pleasure
- タイトルの「Pleasure」(喜び)が示す通り、喜び、嬉しさ、達成感がこの曲のテーマ。なんでこんなに前向きなんだ。制作したのは01年、9.11のテロで世の中が暗い気分だった時期だったと思います。冒頭はクリスマスの匂いがするかもしれませんが、実はこの曲はニューヨークのクリスマスもイメージしていたのです。
- 9,Pluie de mars
- ピアノの深めのリバーブが眠気を誘う曲。ピアノの他、Maxというソフトでプログラミングしたノイズや、環境音を取り入れています。タイトルはフランス語で「三月の雨」の意。僕はなぜか、春先の3月頃に降る雨に独特の感情を抱きます。
- 10,風の肖像
- ピアノ三重奏編成ですね。tr9「Pluie de mars」と1セットで好きな方が多いようです。雰囲気が似てるのかなぁ。
- 11,ファウストの夢
- オーケストラ風のストリングスやコーラスと、ピアノ、シンセ音、Drum'n'Bassのリズムなど、異なるジャンルの要素を組み合わせています。いろいろと変な音が入っていますねぇ。曲想が二転三転するのは、作者の分裂気質の表れか。
- 12,Vestige(tech.edit)
- 4つ打ちテクノの上に、ゆったりしたオケ風サウンドが乗っかっている。でもリズム抜きのストリングスだけでも、しっかり聴ける曲を…。という発想で「Vestige」は生まれました。つまり、曲の構想自体は、tr5の管弦バージョンよりこの「tech.edit」の方が先だったというわけです。
- 13,Overture "Anniversary of 2003"
- アクティブ。ポジティブ。成人式のオープニング曲として制作したためですが、アルバムの中でもこの元気ハツラツぶりは浮いている…。4拍子と3拍子(6/8拍子)が同時進行しているので、どちらに耳を傾けるかによって聞こえ方が変わる面白さもあります。ちなみに、3分ジャストでドンと終わるのは、そういう注文があったため。
- 14,mirage 2
- 「mirage 1」から始まった音の旅は、再びCentralParkへ戻ってきて終焉を迎えます。穏やかな風景が次第にノイズとなり、突如消えてしまう蜃気楼の様なその儚さは、僕たちの日常そのものなのです。「Eternal Mirage」はこれにておしまい。おやすみなさい。


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